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ロイヤル オーク "ジャンボ" についての考察


オーデマ ピゲ ロイヤル オーク "ジャンボ" についての考察 - 新しいプラチナモデルをなぜ誰も好きと言おうとしないのか?
もしかすると、本当に完璧なものに直面したとき、私たちは皆、それがなくてもやっていけるようにしているのだろうか。

 私は10年以上にわたり、ロイヤル オークについて詳細に書いてきた。実際、この時計に関するいくつかの記事は自分の中で最高の仕事だったと思うし、少なくとも最も楽しく書くことができたと言っていい。グランドセイコー腕時計それは単純に私が愛して止まないテーマであり、時計についてだからだ。

 GQ(発売中の号)での簡単な紹介から、当時物議を醸していた新しい41mmクロノグラフの徹底レビュー(ビデオ付きで、ブランドとしてのオーデマ ピゲをかなり深く分析したが、これは今でも真実だと思う)、今は終了してしまったJay-Zのウェブサイト(当時としては先を行っていた!)でのヒストリー・レッスン、A品番に関して書いた今でも誇りに思う記事 (TimeZone.comに残っているか、またはWayBackMachineで見ることができる)まで、多岐にわたる。

 私はロイヤル オークが大好きなのだ。10年前、この時計の40周年記念イベントの一つをニューヨークで主催したことすらある。ハイエンドスポーツウォッチの中では、本物中の本物だと思っている。私が買える状態である限り、いや実際それ以前から、私の時計コレクションにはロイヤル オーク"ジャンボ"があった。そして、それはこれからも変わりないのだ。


私は長い間、ずっとロイヤル オークを愛してきた。そして世界はそれを知っている。

 そう思っているのは私だけではない。オーデマ ピゲ(以下、AP)は今や10億ドル規模の時計ブランドであり、世界でも5本の指に入るほどの価値がある。彼らの時計は、そのほとんど全て(!)が定価に近い価格で取引されているが、スティール製のロイヤル オークの場合は、それをはるかに上回る価格だ。この問題を深く科学的に研究した結果(Chrono24.comでの一回の検索だが)、SS製の15202は現在、約10万ドル(1090万円)で取引されていることが分かった。その希望小売価格、つまり「あなたが買いたいと思っている時計を作っている人たちが、実際に価値があると言っている金額」は、APのウェブサイトにはっきりと表示されている。2万6700スイスフラン、今日の換算レートで319万円(税込)だ。この差は大きいと思わないだろうか?

 昔から人気があったわけではない。2010年当時、時計業界の外にいる友人たち(そういう人たちがいる、あるいはいた)が、ロイヤル オークに全く関心がなかったことをはっきり憶えている。「あれに一体いくら払ったんだって?」と言っていた。友人のRobert-Jan(ロバート-ジャン、スピーディ好き)が、1998年もののような気もするがおそらく2010年のホワイトダイヤルの15202を購入した直後、ニューヨークを訪れたときのことだ。彼の妻が「その時計すごく1970年代っぽい!」と言っていたのを思い出す。また、15202を含むすべてのロイヤル オークが、世界中で常に小売価格を大幅に下回る価格で取引されていたことも憶えている。素晴らしかった。世界で最も特別な時計のひとつが、実際に手に入ったのだから。現在と過去を最も密接に結びつける時計であるジャンボは、当時、人々が欲しいと思うものでは全くなかったのだ。